サイドFIRE後の仕事として推奨される「好きな仕事」や「ゆるい仕事」は、どちらもなかなか見つけることのできない幻想に近いということを書きました。
特に雇われでは厳しいです。
では、組織に縛られず、自分の裁量で働ける「フリーランス」という道はどうでしょう?
サイドFIREの労働部分をフリーランスで賄う、という選択肢もよく挙げられます。
フリーランスは激務で不安定
私が思うに、この道もまた非常に長く険しい道のりです。「フリーランスとして稼げるようになるまで」というのは、生半可な努力では実現しません。
事業を軌道に乗せるためには、必死で勉強し、働き、実績を作り、顧客を開拓し続けなければなりません。
時には、無茶な納期や要求に応えなければならない場面も出てくるでしょう。
会社員時代以上に激務になることだって珍しくありません。
「会社から押し付けられた仕事ではなく、自分の事業だから忙しくても苦にならない」という意見もありますが、本当にそうでしょうか?
そもそも、FIREを目指そうと思うような人は、多かれ少なかれ「労働が嫌い」な人が多いのではないでしょうか?
少なくとも私はそうです。
そんな「労働嫌い」の人が、フリーランスとして事業を軌道に乗せるために、あえてそんな「激務」に耐えられるのでしょうか?
また、フリーランスの場合、「自分のペースで働きたい」とか、「忙しいのが嫌い」というスタンスでいると、なかなか仕事が来ないのが現実です。
企業や個人がフリーランスに仕事を依頼するのは、彼らに早く、正確に、安価で仕事をしてほしいからです。
自分の都合ばかり優先する人に、わざわざ仕事を頼むようなクライアントはいないでしょう。
結果として、望むような仕事が得られず、サイドFIREに必要な収入を確保できない、という事態に陥りかねません。
インフルエンサーの事例は再現性なし
サイドFIREの成功例として、YouTubeやブログといった発信業で稼いでいるインフルエンサーの事例がよく挙げられます。彼らは、サラリーマン時代から副業でYouTubeチャンネルやブログを育て、FIRE後にそれを本業として確立しているケースが多いですよね。
FIRE系の発信業や書籍出版、オンラインサロンの運営などで、莫大な収入を得ている人もいます。
しかし、忘れてはいけないのは、これらの成功例の多くは、その人が「超有能で、かつ超努力家であったからこそ成功した」という事実です。
彼らは、企画力、発信力、継続力、情報収集力、マーケティング力など、そもそもビジネスパーソンとして非常に高いスキルを持ち合わせています。
そして、その裏では、想像を絶するほどの努力と時間を費やしてきたはずです。
成功した人のみがピックアップされ、その裏でたくさんの人が挑戦しては挫折していった現実が隠れてしまっているのです。
もともと優秀な人が必死に努力をし続けた結果、インフルエンサーになれたのです。
普通の人には、これらの成功例は、極めて再現性が低いと言わざるを得ません。
労働嫌いは競争に向いていない
副業ビジネス全般に言えることですが、YouTubeもブログも、次から次へと新規参入者が現れる過当競争のレッドオーシャンです。
常に新しい情報を取り入れ、流行を追い、コンテンツを改善し続けなければ、あっという間に置いていかれてしまいます。
これは、「常に動き続けないといけない」非常に厳しい世界です。
「労働が嫌い」な人が、このような競争の激しい環境で、果たしてモチベーションを維持し続けられるでしょうか?
よほどその活動自体が好きでなければ、まず無理だと思います。
FIREしたいという動機なんて、「もうこれ以上働きたくない」というのが大半でしょう。
例えば「本業の他にやりたいことがある」というのがメインの目的なら、さっさと転職するなり起業するなりして、それをやればいいわけですから。
そもそもが怠け者気質のFIRE志望者は、競争に向いていません。
投資を通じて競争社会の恩恵を受けつつも、自らは競争から離れた世界で穏やかに暮らすのが理想的だと思います。
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