FIRA60vsFIRE③-老後資金の不足問題

2025/08/07

FIRE

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本記事をまとめたYouTube動画はこちら。

前回の続きです。 
FIRA60vsFIRE②-嫌じゃない仕事をすればいい?

著者がFIREに否定的な理由として、もう一つ重要な指摘があります。

それが、「早く退職すると老後資金が不足する」という点です。
特に、厚生年金が不足することを指摘されています。

公的年金をFIRE資金に含めるか?

早期に退職すれば、厚生年金の加入期間が短くなり、将来受け取れる年金額は減ります。
60歳まで働き続ければ、その分厚生年金も多く積み立てられ、退職金も多くもらえる可能性が高まりますので、その点ではFIRA60の方が経済的な盤石さは増すというロジックです。

しかし、そもそもFIREを目指す人たちは、自己資金のみで老後の生活を賄えるように算段をつけている場合がほとんどではないでしょうか。
私自身は、公的年金は「もらえたらラッキー」くらいの感覚で、FIRE達成資金の計算には基本的に組み込んでいません。

年金制度の不透明性

なぜなら、日本の公的年金制度は、将来的にどうなるか不透明だからです。
現在の日本は、少子高齢化が急速に進んでいます。
年金制度は、現役世代が納めた保険料で高齢者の年金を賄う「賦課方式」が基本となっています。
しかし、少子化が進み、現役世代の人口が減り続ける一方で、高齢者の人口は増え続けています。この構造的な問題は、今後さらに深刻化していくことが予想されます。

年金制度を積立方式に変えるぐらいのドラスティックな変更をしない限り、既存制度の改悪が続く可能性は高いでしょう。例えば、「年金支給額の減額」、「年金支給開始年齢の引き上げ」といった改悪ですね。

政府の財政状況や社会保障費の増大を考えれば、将来の給付額が現在の水準を維持できるかは疑わしい。実際に、これまでも支給開始年齢の引き上げやマクロ経済スライドによる給付抑制など、様々な形で制度が変更されてきました。

最近の年金改革では、「基礎年金の不足分に厚生年金の財源が流用される」なんてことも取り沙汰されていました。
「基礎年金部分の底上げになるのだから、厚生年金加入者のサラリーマンにも恩恵があるでしょ」という厚労省の詭弁に納得しているリーマンは果たしているのでしょうかね。
こういうことを、国が勝手に決めて実行してしまえるような制度なのですから、個人的にはとても頼みにはできません。

労使折半の欺瞞

さらにいえば、厚生年金保険料は「労使折半」として、半分は自分の給与からの天引き、もう半分は会社が納めるという建付けになっていますが、会社が納付する分ももともとは人件費として計上されている分から納付されています。

「会社が半分負担してくれている」等と恩着せがましいですが、何も会社が自社の資産から親切で負担してくれているわけではないのです。
年金保険料は、全額自分が払っているのです。
しかも年金は賦課方式なので、自分が支払った分が将来の自分に返ってくるわけではありません。
それだったら、同じ額を自分で選んだ投資先で運用して自分年金を作ったほうが、私としては納得感があります。
結果がどうなろうと、自らの判断と責任のもとに行ったことであれば納得感がありますから。

まぁ退職金に関しては、確かに60歳まで勤めていれば満額支給される可能性が高いので、その点では経済的な安定性は増すと思いますけどね。

年金<人生の残り時間

FIREとFIRA60のどちらを目指すにせよ、公的年金は除外して、基本的には自分の資産だけで生活が回るように資金計画を立てるのが安全だと思います。

私としては、もらえるかどうか分からない年金より、2度と取り返せない時間の方に圧倒的な価値を感じます。 若くて健康な時にしかできない体験は、年老いてからでは味わえないものです。
だからこそ、私はFIRA60ではなくFIREを目指して、できるだけ早く労働から卒業し、自由を謳歌したいと考えています。
大事なのは、自分にとって何が一番幸せなのか、何を一番大切にしたいのかを真剣に考えて明確にし、それに向かって具体的な行動を起こすことですね。


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仕事が嫌いすぎてFIREしたい30代会社員です。米国株インデックスファンドを中心に資産運用中。意識低い系会社員の生存戦略としてのFIREをテーマに、投資情報や経験等を発信します。

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