FIRA60vsFIRE②-嫌じゃない仕事をすればいい?

2025/08/06

FIRE

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前回の続きです。 
FIRA60vsFIRE①-FIREはろくでもない?

「FIRA60」の提唱者である榊原氏は、FIREに否定的なわけですが、早期リタイアを目指す人に対して、「嫌な仕事から嫌じゃない仕事に就けばいい」という提案をしています。

労働自体が嫌な人はどうするのか?

これも一見すると、非常にポジティブで建設的なアドバイスに聞こえますよね。
「嫌じゃない仕事に就いて、やりがいのある仕事にシフトしよう」というメッセージは、確かに多くの人が目指すべき方向性だと思います。

しかし
、「そもそも、労働自体が嫌だ」と感じている人にとっては、この選択肢は難しいのではないでしょうか。
結局は、めちゃくちゃきつい拷問から多少マシな拷問に代わるだけで、根本的な解決にはなりません。現実問題として、「嫌じゃない仕事」が簡単に見つかるなら、誰も苦労しませんよね。
多くの人が今の仕事に不満を抱えながらも、生活のために働き続けているのが実情ではないでしょうか。

大学教授と会社員の違い

そもそも、著者は大学教授という権威あるお立場の方です。
もちろん、大学教授という職業も、研究や教育、学生指導など、多岐にわたる業務があり、大変な仕事だと思います。
しかし、一般的な会社員のような雇われのサラリーマンとは仕事の性質が大きく異なります。大学教授は、自身の専門分野を深く掘り下げ、基本的にはある程度自分の裁量で仕事を進められることが多いですよね。

権力争いや人間関係のしがらみは多少あるかもしれませんが、基本的には「先生」と無条件で尊敬される立場ですから、上司や顧客に理不尽な要求をされたり、平謝りして心身を消耗させるなんてことはあまりないのではないでしょうか。労働者とはいっても、世間的には、「上澄み」と言えます。
(勿論、その地位に上り詰めるまでの助教等のステップでは、大変な苦労をされているケースも多いのでしょうが。。)

世のリーマンが抱える「労働自体への嫌悪感」や「嫌な仕事からの逃れられない現実」という感覚が、もしかしたら著者には少し希薄なのかもしれません。
私みたいな、どうしたって労働そのものが嫌、という人種がこの世には存在するのです。

嫌じゃない仕事をし続けられるか?

サラリーマンというジョブクラスは、自分の興味がない、あるいは不本意な業務を指示されたとしても、基本的にそれを遂行しなければなりません。
上司や顧客との人間関係に悩み、理不尽な要求に応えなければならない場面も少なくありません。

本の中では「仕事が『嫌ではない』状態を維持すれば、長く働き続けられる。嫌な仕事だと『命の切り売り』になってしまう。」と書かれており、これには私も全く同感です。
命をすり減らすような仕事は健康を害し、精神を疲弊させるだけなので、絶対に避けるべきです。

しかし、現実のサラリーマンのような雇われ仕事には、異動や転勤がつきものです。
たとえ今の部署や業務内容が嫌じゃなくても、数年後には全く畑違いの、しかも自分が興味のない、あるいは不向きな部署に異動させられるなんてことは日常茶飯事です。
地方への転勤を命じられ、家族との生活が大きく変わってしまうこともあります。
そうなったときに、「嫌な仕事だから辞めます」と簡単に言える人は少ないでしょう。
生活の基盤を崩すリスクを考えると、多くの人が我慢して働き続けることを選ばざるを得ません。
サラリーマンである以上、嫌な仕事を完全に回避し続けるのは、非常に難しいのが実情です。


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仕事が嫌いすぎてFIREしたい30代会社員です。米国株インデックスファンドを中心に資産運用中。意識低い系会社員の生存戦略としてのFIREをテーマに、投資情報や経験等を発信します。

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