先日、『60歳までに「お金の自由」を手に入れる』という書籍を読みました。
この本で提唱されているのが、FIREならぬ「FIRA60」という考え方です。
FIRA60とは
本の著者である榊原氏は、本業で大学教授をやりつつ株式投資で資産を作り、「Prof.サカキ式投資法」なる独自の投資法を考案されています。
本書では、どうすれば60歳以降の人生を「お金の心配なく、自由に生きられるか」を具体的に解説されてて、特に強く推されているのが「FIRA60」という概念です。
これは「Financial Independence, Retire Around 60」の略で、「経済的自立と60歳前後でのリタイア」となります。
著者が言うには、これは単なる定年退職とは一線を画します。
年金だけに頼るのではなく、現役時代に潤沢な資産を構築し、60歳になったら「お金のために働く」という状態から完全に解放されることを目指す、というものです。
FIRA60を達成するためのステップとして、具体的に次のような点が挙げられています。
現状把握
現在の資産状況やキャッシュフローを正確に把握し、現実的な目標設定を行うことが第一歩だとされています。
漠然とした不安を抱えるのではなく、数字として現状を認識する大切さを説いています。
収入の最大化
本業での昇給やキャリアアップはもちろんのこと、副業やスキルアップによる収入源の多様化についても言及されています。
ただがむしゃらに働くのではなく、自分の価値を高め、市場からより高い対価を得るための具体的なアプローチが示されています。
特徴的なのは「嫌じゃない仕事」に就くことで、嫌々働く状態から脱して、持続可能な社会人生活を送ることを推奨している点です。
資産運用
無駄な支出を徹底的に見直し、浮いたお金を投資に回します。
本の中では、日本個別株を対象に、著者が考案した独自の選定基準でスクリーニングした銘柄に投資する方法が紹介されています。
具体的には、ファンダメンタル分析やテクニカル分析といった定量分析で銘柄を絞り、安定して高利回りを出している「国際優良企業」か「財務優良企業」に投資することとされています。
第二の青春
また著者は、60歳からの人生を「第二の青春」と位置づけています。
仕事から解放され、本当にやりたかったこと、興味があったことに時間とエネルギーを費やすことができるようになる。
そのために、現役時代にしっかり準備をしておくべきだというのが、本の核心的なメッセージです。
このようにFIRA60は、FIREよりハードルが低く、現実的な目標設定になり得る考え方です。
特に、老後資金への不安が大きい現代において、60歳で経済的な自由を手に入れるという目標設定は魅力的です。
運用期間が長く取れる分、リスクを抑えつつ着実に資産を増やせる可能性が高いというのは大きなメリットであり、盤石な老後を迎えるために有効な戦略といえます。

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