前回の続きです。
→住宅戦略を考える②-持ち家で抑えたいポイント
結局、持ち家と賃貸のどちらがいいのかは結論を出すのが難しいです。
個人の考え方や置かれている状況、経済動向で変わってくるからです。
ただ折角なので、自分だったらどうするかを考えてみたいと思います。
住宅戦略の一案
結論として、「株式投資+中古物件購入」が良いかもと考えています。
具体的には、以下のような2ステップの戦略です。
- 職場の住宅補助を活用して賃貸で暮らし、並行して株式投資を行う
- まとまった資産ができたら、『資産価値の高い中古物件』を買う
まず、住宅補助や社宅といった使える制度は、フルで使い倒すのが良いでしょう。
住宅関連の福利厚生がなければ、実家か激安物件に住みます。
とにかく住居コストをできるだけ減らし、浮いたお金で資産形成を進めておきます。
また若いうちは、結婚するのか、子供を持つのか、どこで働くのかといったライフスタイルの変化が想定されるので、賃貸住まいで柔軟性を確保しておきたいところ。
その間、支出を抑えて資産運用でお金を蓄えておき、ライフスタイルがある程度固まってきた段階で、資産価値の高いエリアの中古物件を買います。
家を買う理由は、家賃高騰リスクへのヘッジとなること、少なくとも土地値分は資産として残ること、老後の「家なしリスク」を回避するためです。
なぜ新築ではなく中古物件かというと、新築にはどうしても『新築プレミアム』が上乗せされていて割高だからです。
狙い目としては2001年以降に建てられた優良物件が良いかなと思います。
「住宅の品質確保の促進等に関する法律」が施行された直後の2001年以降に建てられた物件は、「住宅性能表示」制度を意識して、耐震性、省エネルギー、遮音性などを向上させた基本性のが高い物件が比較的多いからです。
住宅ローンor一括購入
買い方には、住宅ローンを借りるか一括で買うかの選択肢がありますが、私なら住宅ローンを借りつつ、株式などの資産運用も継続して行います。
ひとつシミュレーションをしてみましょう。
次のような条件設定で、住宅ローンを引く場合と一括購入する場合を比較してみます。
【条件】
6000万円のS&P500連動投資信託を取り崩して、5000万円の物件を買う
※投資信託は年利7%で30年間複利運用
※税金、諸経費、インフレ等を考慮しない
①金利1%、返済期間30年の住宅ローンを利用して購入
(毎年193万円を取り崩し、残額は継続運用)
②一括購入し、残った1000万円分の投資信託は継続運用
このシミュレーションのもと、30年後に最終的に手元に残る投資信託の見込額はどうなるでしょうか。
結果は次の通りとなりました。
①の住宅ローンを借りた場合⇒2億1703万円
②の一括購入した場合⇒7479万円
住宅ローンを借りた方が、3倍近く多い資産を残せます。
グラフにするとこんな感じです。
この両者、見方を変えると、6000万円を毎年193万円取り崩しながら30年間運用するパターンと、1000万円を30年間運用するパターンの比較ということになりますね。
両者にこれだけ差がついた理由は、住宅ローンの金利1%が投資信託の利回り7%よりも低く、投資額が毀損しなかったことで、住宅ローンを借りて住宅を購入した方が資金効率が良かったためです。
なので、例えば住宅ローンの金利が8%など、投資信託の利回りより高かった場合は全く逆の結果になります。
またシミュレーション結果の金額には含めていませんが、5000万円で買った家も当然、資産として残ります。
30年間の資産価値減少を考慮しても、半値の2500万円程度は残るでしょうから、手元に残る資産額はもっと大きくなりますね。
初手から家を買おうとすると、住宅ローン返済で生活がカツカツになってしまう可能性がありますが、ある程度まとまった資産を築いた上でそこからローン返済分を取り崩しながら家を買うのであれば、資産を別の資産に変換しているだけなので、生活費に影響を及ぼすことなく住宅取得が可能となります。
以上、「私ならこうする」という戦略をご紹介しました。
↓ランキング参加中です!
にほんブログ村
仰る提案がベストだと思います。
返信削除持ち家VS賃貸は持ち家に軍配が上がります。
何故なら世間に「大家業」と言う稼業が在る為です。
持ち家の方が賃貸と比して損やトントンなら大家業は存在しないです。
損して他人に貸す理由が無い。
ソレこそ「物件の又貸しが最良の不動産投資」と言う事に成る。
悪名高いサブリースですね。
住宅ローンで物件を買って他人に貸したら低利で投資物件を…
モロに契約違反だけど普通に様々な投資物件売買サイトで住宅ローン購入可と斡旋してるし
アレはどうなってるのかな…
不動産投資は本当に不明瞭です。
住宅ローンで賃貸に出すのは、もし銀行にバレたら一括返済を求められる背任行為ですが、「バレようがない」と堂々と勧める悪徳不動産屋がまだまだいるみたいです。
返信削除いずれは持ち家を買いたいなと思うのですが、こういう輩が跋扈するような業界なので、どうしても身構えてしまいますね。