前回の続きです。
→住宅戦略を考える①-持ち家VS賃貸
何かと経済的な支援制度がある持ち家ですが、じゃあ「持ち家を買ったほうが得」かというと、そうでもありません。
持ち家はリセールバリューが全て
資産形成の観点で住宅取得を考えるなら、『値崩れしにくい資産価値の高い物件を選ぶ』ことが最も重要です。
まぁ、ここが一番難しいところなんですけどね。
資産価値の高い物件をどうやって見極めるか、そしてそれを適正な価格で買えるか。
この見極めを間違えてしまうと、将来的に負債になってしまうリスクがあります。
例えば、東京23区や大阪市といった大都市部の不動産価格は、現在も右肩上がりで上昇しています。
この傾向は今後もしばらく続くかもしれませんが、これが20年後、30年後も続くかと言われるとどうでしょうか?
人口減少や経済状況の変化によっては、地方だけでなく都心部でも不動産価格が下落する可能性がないとは言い切れません。
それでも、土地値は建物ほどは値崩れしにくいと言われます。
少なくとも土地値分は価値が残るし、都市圏であれば需要もそれなりに見込めるでしょうから、建物部分についても価値がゼロになることは考えにくいでしょう。
もし値崩れしにくいリセールバリューの高い物件を買うことができれば、キャピタルゲインが狙える分、家賃が完全に掛け捨てになる賃貸よりも持ち家の方が経済的に有利と言えます。
持ち家で怖い災害リスク
一方で、持ち家には『災害リスク』という無視できないリスクもあります。
特に、大規模な地震や津波による被害は通常の火災保険では補償されません。
補償を受けるには地震保険への加入が必須となりますが、この地震保険で支払われる保険金でも、全損になったとしても同じ家を建て直す分には全く足りません。
その上、家がなくなっても住宅ローンが消滅するわけではないので、残債は払い続けなければなりません。
確率は低いとはいえ、もしもの時は非常に大きな経済的損失を被る可能性があるということは認識しておく必要があります。
賃貸は資産にならないが気楽
逆に、賃貸の場合はこの辺りが非常に気楽です。生活の柔軟性が圧倒的に高いですね。
転勤や転職、家族構成の変化など、ライフステージが変わったときに、すぐに引っ越すことができます。
近所の騒音や人間関係のトラブルに巻き込まれたとしても、引っ越せば解決です。
持ち家だとなかなかそうはいかないので、この気楽さは賃貸の大きなメリットと言えます。
住宅補助+賃貸は合理的
賃貸のメリットを大きく高めてくれるのが、職場の住宅補助制度です。
私の会社もそうですが、住宅補助がある会社だと、家賃負担をかなり抑えることができます。
ただ、持ち家を買ってしまうと手当が打ち切られるケースもあるので、そのあたりも考慮して比較検討する必要があるでしょう。
こうした制度を利用できる環境にあるなら、わざわざリスクを冒して家を買うより、低コストで賃貸暮らしを続け、浮いたお金で株式等に投資した方が総合的な期待リターンは高いかもしれません。
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