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「30代でFIRE達成した日本人が明かす「幸福なFIRE」と「不幸なFIRE」の分かれ道」という記事を読みました。
記事の内容は、30代でFIREを達成した方の経験に基づき、「幸福なFIRE」と「不幸なFIRE」の違いについて解説するものです。
要約すると「なんのためにFIREするのかというビジョンを持つことが大事で、仕事から抜け出したいあまりFIRE自体を目的にすると虚しい人生になる」というものです。
この記事に限らず、目標なきFIREはとかく「虚しい人生になる」とか「暇と孤独で不幸になる」と否定されがちです。
もちろん明確なビジョンを持ってFIREを目指すことは素晴らしいことですが、私は「仕事からの逃避が目的でFIREすること」が悪いことだとは思いません。
むしろ、仕事が嫌で嫌でたまらない人は、すぐにでもFIREしたほうがいいと思っています。理由は3つあります。
苦痛から解放されることにこそ意味がある
ギャラップ社の意識調査等が示す通り、日本の会社員のほとんどは嫌々仕事をしているのが現状です。
そして私も含め、多くの人が「仕事からの逃避」をFIREのメインの動機としているはずです。
仕事を続けている限り、私たちは毎日、何かしらの苦痛に直面しています。
(満員電車、人間関係、理不尽な業務、ノルマ等々…)
給料は入りますし、仕事にやりがいを感じる瞬間もあるかもしれませんが、多くの人にとって、そうした「快楽」は「苦痛」に比べれば微々たるものではないでしょうか。
総合的に見れば、確実に「悪い状態」と言えるでしょう。
一方で、特にやりたいことがない状態でFIREした場合を考えてみましょう。
確かにFIREしたからといって、すぐに何か素晴らしい「快楽」が待っているとは限りません。
毎日が退屈に感じるかもしれません。
しかし、少なくとも「仕事」という最大の苦しみからは解放されます。
快楽がないとしても、苦痛がなくなるのであれば「良い状態」です。
つまり、少なくともFIREすれば苦しみからは解放されるので、この点では「悪い状態」から「良い状態」になるのは確実です。
やりたいことがあろうがなかろうが、苦しみがない状態に移行できるという点で、十分に意味があることだと私は思います。
記事では「どんな人生にしたいのか、何のために生まれてきたのか」まで深く考えるべきだと書かれていましたが、それでいえば「やりたくないことをやらないで済む人生」も、立派なビジョンといえます。
やりたいことや交友関係は後からついてくる
仕事をしているストレス過多な状態では、心に余裕がなく、本当に自分がやりたいことなんて考えられないのが普通です。
「ビジョンを持て」と言われても、なかなか難しいでしょう。
でも実際にFIREしてみて、心身を休める時間と心の余裕ができれば、自然とやりたいことが出てくるかもしれません。
例えば、ずっとやってみたかった趣味に挑戦してみる。
今まで時間がなくて読めなかった本を読み漁る。
近所のカフェでぼーっと過ごす。
そういった些細なことからでも、新しい発見や興味が生まれる可能性は十分にあります。
また、FIREしたら孤独になる、なんて言われることもありますが、気になったことをとりあえずやってみたら、そこから新しい交友関係が広がっていくかもしれません。
仮にできなくても、無理に交友関係を広げて人間関係に煩わされるくらいなら、孤独でいた方がマシでしょう。
本当に気の合う人との繋がりがあれば十分です。
強い目標ややりたいことは持たないほうがいい
目標を持つことは良いことですが、「絶対にこれをやらなきゃ」と強く思いすぎると、それが義務感になって自分を縛り付けてしまう可能性があります。
もし、その目標が何らかの理由で実現できなかったら、どうなるでしょうか?
例えば、記事のように世界一周を目的に掲げてFIREしたのに、自分や家族の病気や、予期せぬ世界情勢の悪化などでそれが実現できなくなったら、それこそメンタルがやられてしまうのではないでしょうか。今まで一体なんのために頑張ってきたのか、と。
せっかくFIREしたのに、目標が達成できないストレスでイライラしてしまい、かえって不幸になってしまう可能性も考えられます。
人生は予測不可能で、計画通りにいかないことの方が圧倒的に多いです。
だからこそ、ガチガチにビジョンを固めるよりも、ある程度、その場のノリと気分で好きなことをするといった柔軟性を持っていた方が、精神的に楽なのではないかと思います。
「FIREしてでも達成すべき自分の目標はこれだ!」と気負い過ぎると、単純に疲れてしまうような気がします。
タイプの違う人の意見を鵜呑みにしない
この記事のFIRE達成者は、若くしてスタートアップの創業メンバーになるなど、もともと目標に向かって活動をしたり、挑戦するのが好きな意識高いタイプなのでしょう。
このタイプのご多分に漏れず、「成長」とか「生産性」を重視しているようなので、仕事や職場の人間関係が嫌で嫌でたまらないからFIREしたいという層とは、思想や考え方が根本的に違います。
ビジョンややりたいことが明確なのは本当に素晴らしいことですが、それがないからといってFIREしないほうがいいとは思いません。
皆が皆、目標を持てるわけではないのですから。
現在の苦しみをなくすという点で、「逃避のFIRE」にも十分に意味はあります。
私自身も、特に明確な目的もやりたいこともなく、ただただ仕事が嫌でたまらないので、FIREするつもりです。
現に、休職という形で疑似FIRE生活を既に5ヶ月近く送っているのですが、退屈も憂鬱さも一切感じておらず、毎日楽しいです。
ビジョンや目標なんて高尚なものは、逃げた後で考えればいいと思いますけどね。
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