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私は私傷病休職中で、3カ月が経過しました。
その結果、「FIRE志望のサラリーマンは一度は休職すべき」という感想を持つに至りました。
今回は本テーマについて記事にしました。
私傷病休職とは
まずは、そもそも私傷病休職とは何かについて、簡単に解説します。
私傷病休職とは、労働者が業務外の病気やケガによって長期間働けなくなった場合に、会社が一定期間、雇用関係を維持したまま仕事を休ませる制度のことです。
前提として、私傷病休職制度は、労働基準法やその他の労働関係法令で会社に義務付けられている制度ではありません。
会社が独自に就業規則などで定める福利厚生の一環であり、社員が病気やケガで働けない場合に、すぐに解雇するのではなく一定期間回復を待つための措置です。
そのため、傷病休職制度の有無、休職期間の長さ、休職中の賃金の有無などは、すべて会社の就業規則に委ねられています。
とはいえ、余程の小規模な組織ではない限りは制度が用意されていると思います。
休職制度を利用すべき理由
もし勤務先に傷病休職制度があるなら、一度は取得してみることをおすすめします。
特に、将来FIREをしたいと考えている人にはおすすめですね。
理由を順番に説明していきます。全部で5つあります。
FIREの予行演習ができる
1つ目の理由は、「FIREの予行演習ができる」からです。
ぶっちゃけこれが一番おすすめしたい理由ですね。
自由な生活やストレスフリーな生活を求めて、FIREに興味があるという人が増えていますが、実はFIREには向き不向きがあります。
有り余る時間を持て余して退屈に感じてしまったり、人との繋がりや社会的な役割の喪失が耐えられなくなったりして、FIRE生活を楽しむどころか、メンタル不調になったり、またサラリーマンに戻ってしまうケースもあります。
特に大きな資産を築けるような人は、仕事でもそれなりに優秀だったり、優良企業に勤めていることが多いので、FIRE直後の暇や孤独に耐えられない、という人が一定数いるのも頷けます。
ある意味、適性が必要ということですね。
実際のところ、自分にFIRE適性があるのかどうかはやってみないとわからないものですが、問題は、FIREは原則片道切符であるということ。
大抵の場合は、一度退職してしまったら元の職場には戻れません。
FIREしたけど向いていないことが分かったとしても、取り返しがつかないのです。
その点、休職であれば職場に籍を置いたまま、疑似的にFIRE生活を送ることが可能です。FIREする前に予行演習しておくことで、自分に適性があるのかどうか、見極めることができます。
また、職場以外の交友関係を築いたり、趣味を見つけたり、新しいことにチャレンジする下地作りの期間として活用するのも良いでしょう。
もしも自分にはFIREは向いていないと思ったなら、復職してまたサラリーマンを続ければ良いだけです。
いわば保険をかけた状態で疑似FIREができる制度が休職なのです。
サラリーマンの既得権益ともいうべきこの制度は、是非とも活用すべきです。
私自身、休職した直接の原因は仕事のストレスですが、"FIREの予行演習”として私傷病休職を使ってみたいという気持ちがずっとありました。
実際に疑似FIREしてみて、自分には適性があることが分かったので、それだけでも大きな収穫でしたね!
体調が回復するから
2点目の理由は、シンプルに「体調が回復するから」です。
FIREしたいと考えているサラリーマンの多くは、現在の仕事に対してあまりポジティブな感情を持っていないはずです。
仕事内容、人間関係や組織に対して不満を持っていたり、そもそも労働自体に嫌気がさしているということもあるでしょう。
だからこそ、自由を求めてFIREを目指しているのでしょう。
そして、そのような負の感情を抱いて働き続けていれば、肉体的あるいは精神的に不調を抱えることになります。
具体的な病気になっていなくても、日々の疲労が蓄積して、「だるい」とか「なんかしんどい」と感じることはあるでしょう。
その状態を放置していると、うつ病などのメンタル疾患になってしまう可能性があります。
特に頑張ってしまう人ほど、無意識のうちに心身の不調を無視してしまい、病気に発展してしまいがちです。
取り返しがつなくなる前に、一度休職して心身の回復に努めるべきです。
働かなくてもお金がもらえる
3点目の理由は、「働かなくてもお金がもらえる」からです。
自分は間違いなくFIREに適性がある!という人でも、退職前に休職しておくと傷病手当金がもらえるので、金銭的メリットから是非検討すべきです。
傷病手当金は、健康保険の被保険者期間中に発生した病気やケガで仕事を休んだ場合に支給されるもので、自営業者等が加入する国民健康保険にはこの制度はありません。
被雇用者であるサラリーマンに認められた権利です。
傷病手当金の金額は、直近12か月の平均標準報酬月額のおよそ3分の2です。
なので、給与が最も高いタイミングで申請するのがお得です。
大抵の場合、FIRE直前が一番給与水準が高いでしょうから、仮にバリスタFIREなどでどこかに勤務する予定であっても、現職の在職中に休職しておくと金銭的には合理的です。
もしFIREを実行する場合であっても、退職直前に休職しておけば、働かずして1年6カ月分の傷病手当金を手に入れることができます。
会社によっては、独自の休職制度によって一定期間は給与が支給されるケースもあるでしょう。
さらに、休職中は会社に籍を置いている状態ですので、休職期間も退職金計算上の勤続年数に含められる可能性があります。
この点については会社毎に異なるので、就業規則などを確認しておくと良いでしょう。
FIRE後も仕事をもらうなどの関係が会社と続くのであれば別ですが、そうでなければ、どうせ辞めていく職場なのですから、気兼ねなく休職して、貰えるものは全部貰っちゃいましょう!
やりたかったことができる
4点目は、「やりたかったことができる」からです。
休職すると、数週間、週カ月ものまとまった自由時間を得ることができます。
この期間は、やりたいと思っていたけど働いている間は先延ばしにしていたことに挑戦してみる良い機会です。
海外旅行、農業体験、副業、アプリ開発、レジャー、リスキリング、ボランティアなど、内容は何でもいいです。
私自身も、何か所も旅行に出かけたり、こうしてYouTube配信を始めたり、会社外のネットワークを広げたりしています。
軽い気持ちで滞在した街がすごく魅力的だったり、想像以上に動画編集に苦戦したり、世の中には面白いことをしている人が沢山いたりと、実際に体験してみることで得られることも多く、新しい発見があって、新鮮で楽しいと感じています。
一応、休職期間は心身の回復に専念するという建前がありますが、何もずっと家で安静にしなくちゃダメということはありません。
むしろ、やりたかったことを思いっきり楽しむことでメンタルの回復が早まる可能性が高いでしょう。
FIREしてからやろうと思っていたことをこの機会に思い切ってやってみるといいと思います。
もしかしたら実際にやりたいことをやりきって満足した結果、もうFIREしなくてもいいかな、という結論になるかもしれませんが、それならそれで良いでしょう。
そのまま復職すれば良いだけの話です。
職場環境が好転する可能性がある
5点目は、「職場環境が好転する可能性がある」からです。
もし復職する場合、会社側から仕事や職場環境について配慮してもらえる可能性があります。特に適応障害やうつ病といったメンタル不調を理由とした休職の場合、休職前の仕事にそのまま戻るとまたメンタル不調が再発してしまう可能性が高いでしょう。
最悪、また休職してしまうこともあり得ます。
そうした事態は会社側としても避けたいので、なるべく休職者に配慮し、本人の希望を叶えようとする方向に動きます。
仕事内容を変えたり、部署異動や配置転換したり、責任の軽いポジションに落としたり、リモートワークを認めたりなどです。
もしかしたら、職場環境や仕事内容が変わることで、会社や仕事が苦にならなくなるかもしれません。
バリスタFIREを希望している場合は、会社と交渉して自分好みの働き方を実現するチャンスにもなるでしょう。
勿論、会社によってはこうした配慮を一切せずにそのまま元の職場、元の仕事に戻すようなケースもあるかもしれません。
ただ、そういう場合はその会社を見限るいい機会と捉えれば良いでしょう。
社員を大事にする意識のない会社なんて、心置きなく辞めれば良いのです。
休職しても問題ない
以上、一度は休職してみるべき理由を5つ紹介しました。
いわば休職は、FIREの“無傷で戻れるテストモード”のようなものです。
FIREを本気で考えている人こそ、一度“働かない生活”を経験しておくのが良いと思います。
「休職してしまうとキャリアに傷がつくんじゃないか」とか、「会社に居場所がなくなるんじゃないか」と不安に思うかもしれませんが、一度休職したぐらいではキャリアに致命的なダメージはありません。
現代人は多くのストレスを抱えており、日本の労働者の約3人に1人が“メンタルの不調を感じている”という調査もあります。
いまどき、メンタル不調で休職してしまうケースは特に珍しいものではありません。
また、会社側が休職を理由に人事評価や待遇を不当に不利益に扱うことは、差別的取り扱いとして違法となります。
「休職すると周りの目が気になる」という人もいると思いますが、実際はみんな自分のことで精一杯。
他人のことなんて意外と気にしてません。
心置きなく休職しましょう!
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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